ヘルムート・バーガー自伝『私』
この本はヘルムート・バーガーが、ミュンヘンのジャーナリスト、ホルデ・ホイヤーの協力を得て書いたものである。
プロローグという形で、バーガーはこう語っている──
確かに、私は人生の美しい事物に毒されているといえる。しかし、私のことをただのエキセントリックな挑発者としか思わない人たちに対しては、こう言ってやろう──私は一時たりとも、大衆を汚いといって愚弄したことはない、と。私を知っている人なら判るだろう──この本は、偉大なる監督ルキノ・ヴィスコンティに捧げられたものだと。この本を終りまで読めば、世界は完璧ではなく、愛こそが人生の源であるということが、読者にも判ることだろう。
『私』は三つの部分から成り立っている。
・わが生涯の渇望……私は愛されたい
・わが生涯の愛……ルキノ・ヴィスコンティ
・わが生涯の悲劇……32歳にして未亡人
「私は愛が欲しい。わが生の永遠のテーマは
愛への渇きだ。私は今もって愛に満たされて
いない」